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2015年04月09日

そういう気になった

セピア色の写真も、当時を偲ばせる。
80年近く前の写真も、いっぱいあった。
昭和10年頃の制服姿や晴れ着での記念写真、家族写真、結婚写真。
幼い頃、学生時代、青春期、青年期、熟年、壮年、老年の、親戚たちの顔、顔、顔。
わたしの顔も、ちょこっと入っているものがあった。
母(現在87歳)の母(母方の祖母)の若かりし頃の写真もあった。
なかなか、りりしく、整った顔立ちで、すらりと背が高く、スタイルも抜群。
わたしの知っている、あのおばあさんとは、違った顔だった。
父の出征直前に撮った思われる家族写真もあった。
両親である、祖父母の思いは、どんなだっただろう。
家の前で撮られたその写真の背景は、今、現在もまったく同じ姿をたたえている。
激動の時代を超え、時だけが移ろいでいっている。
その時々は激しく、しかし、今となれば静かに、絶対的な時間の経過を感じさせる。
一族、家族の歩み。
とても貴重なものだと、しみじみ見入った。
やがて姿を変え、時代に合ったかたちで継承されることだろう。
が、消滅していくものもある。
残るもの、残らないものは、自然淘汰される。
時の流れ數碼通月費
そうとう強力なものでもない限り、時代の波には抗えない。
強い意志や、力がないと、次代には遺せない。
やがて、家も風景も変わり果て、ついには消滅し、シンプルに血だけが受け継がれる。
その血でさえ、途絶え、つなぐことが困難な時代になっている。
あの懐かしい写真を見て、ひとつの時代が終わったような気がした。
過去の幻が消えたように。
だが、こころの中には、しっかり残っている。いつまでも。
しかし、わたしがこの世から消える時とともに、その思いも消え去ることだろう。
せめて、遺せなくても、思いを伝えたい。
そういう気になった。


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Posted by egoh at 11:01│Comments(0)other
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